Adobe Fireflyの動画生成機能を使えば、難しい編集スキルがなくても、広告やSNSに使える短尺映像を数秒で作成できます。画像生成AIとして進化してきたAdobe Fireflyは、いまや動画・アバター・効果音までも生み出す万能ツールへ。
この記事では、「テキストから動画」「画像から動画」機能の特徴や、他社AIとの違い、商用利用の安心感まで詳しく解説します。
テキストから動画生成
Adobe Fireflyの「テキストから動画生成」では、文章やキーワードを入力するだけでイメージに沿った短い動画を簡単に生成できます。
また、他の生成AIとの大きな違いとしてカメラの設定も可能です。
下のビデオはAdobe Fireflyを利用して、簡単なプロンプトから生成したビデオです。
- プロンプト:笑顔で電話する20代のビジネスウーマン
- ショットサイズ:ミディアムショット
- カメラアングル:アイレベル
- 動き:左に移動
Adobe Fireflyではプロンプトの他にも画面左の設定からカメラの設定も簡単に行うことができます。

Adobe Fireflyでは、画面左の設定パネルからカメラワークを簡単に調整できます。
- ショットサイズ:画面に写る領域を設定(クローズアップ、ミディアム、ロングなど)
- カメラアングル:視点を設定(空撮、アイレベル、低角度など)
- カメラの動き:カメラワークを設定(ズームアウト、左に移動、手持ちなど)
上のビジネスウーマンのビデオではカメラの動きを「左に移動」に設定しているので、静止したカメラよりも動きのある映像になっています。
もう1つ別の映像です。小さな女の子がシャボン玉遊びをする様子を生成しました。
- プロンプト:公園でシャボン玉遊びをする3歳の女の子
- ショットサイズ:クローズアップショット
- カメラアングル:低角度ショット
- カメラの動き:手持ち
シャボン玉が出てくる位置が少しおかしなところもありますが、全体としてはかなりイメージ通りの映像になりました。
カメラの動きを「手持ち」にしたことで親近感のある雰囲気のビデオになっています。
カメラアングルを「低角度ショット」にしたので、下から見上げるようなビデオになっています。ショットサイズも「クローズアップ」にしたことでと小さな子の可愛らしい雰囲気がでました。
カメラ設定がしっかりと反映されているのがわかります。
特筆すべきはこういった細かなカメラ設定が簡単なインターフェースで制御可能である点です。他の動画生成AIと違いプロンプトで指定する必要がないので、誰がやってもクオリティの高い動画生成が可能です。
他の動画生成AIではとても長いプロンプトが必要なものもありますが、Adobe Fireflyは簡単なプロンプトでもかなりクオリティの高い映像が生成できることがわかります。
画像から動画生成
もうひとつ注目したいのが「画像から動画生成」機能です。Adobe Fireflyでは、手元にある静止画を画面下の「フレーム」にアップロードするだけで、立体的な動きを加えた動画を自動で生成できます。

上のような東京の風景の写真からタイムラプス動画を生成してみます。
- プロンプト:タイムラプス
- カメラの動き:カメラチルトアップ
Adobe Fireflyの大きなメリットは画像から動画を生成する際には極めて短いプロンプトでも、思い通りの動画が生成できる点です。
こちらの画像のプロンプトは「タイムラプス」のみです。
カメラの動きを「カメラチルトアップ」にしたので普通のタイムラプス動画よりも動きのある映像になりました。映像にもリアリティがあるので十分広告で利用できるレベルです。
さらに別の動画を生成してみます。

上のようなネットワークの画像を動かして動画にしてみます。ストックサイトなどにもよくあるテクノロジー系のイメージの映像です。
- プロンプト:ランダムに動くネットワーク
- カメラの動き:ズームアウト
カメラの動きを「ズームアウト」にしたので、ラインが奥の方に動くアニメーションになり、立体感がでました。After Effectsなどで作るものと大差のないクオリティだと思います。
「静止画しか素材がない」という状況でも、Adobe Fireflyを使えば動きのあるプロ品質の映像を簡単に作成できます。
アドビ エコシステムとの連携
Adobe Fireflyのもう一つの大きな魅力が、他のアドビアプリとの連携して利用できる点です。
生成した動画や画像を、Adobe PhotoshopやAdobe Premiere、Adobe Expressに簡単に取り込むことができます。1つのプラットフォームで編集できるので、とても制作作業がスムーズになります。
先ほど生成した動画をAdobe Expressのテンプレートを利用して、子供の夏休みの自由研究の動画を制作してみました。動画を入れ替えるだけで出来るのでとても簡単です。
Adobe ExpressはAdobe Firefly Proを利用すると追加料金なしでプレミアム機能を利用可能です。
このような簡単な動画であればAdobe Premiereを利用しなくても、誰でも簡単にAdobe Expressのテンプレートからすぐに制作可能です。
他社の動画生成AIとの違いは?
他社の生成AIサービスとの比較をしてみます。ここではChatGPTでおなじみのOpenAIが提供するSoraで同じプロンプトで生成した動画と比較してみます。
プロンプト:笑顔で電話する20代の日本人ビジネスウーマン クローズアップ 正面から
Adobe Fireflyとは雰囲気が違うものが生成されますが、クオリティはとても高いと感じます。
ただ、プロンプトをしっかりと記述しないと途中で動画が破綻してしまうことも多いので注意が必要です。
また、Adobe Fireflyと違いカメラワークを直感的に制御することは不可能なので、プロンプトで制御する必要があります。
以下にAdobe FireflyとSoraの違いを表にまとめました。
| 比較項目 | Adobe Firefly | Sora |
|---|---|---|
| 商用利用 | 商用OK(ライセンス明確) | 制約あり・要確認 利用規約 |
| 料金 | 1,380円~/月 | 約20ドル~/月 |
| カメラ設定 | 可能(GUI操作対応) | 不可(プロンプト指定のみ) |
| 学習データ | 著作権処理済み素材のみ使用 | 非公開 |
以上を踏まえてAdobe Fireflyの特徴を説明すると
1. 商用利用が安心できる「ライセンス明確な生成AI」
Adobe Fireflyは、著作権処理済み・ライセンス取得済み素材のみを学習しており、商用利用が正式に認められています。
生成した画像や動画を広告・SNS・YouTube・販売用素材などに安心して使える点が大きな強みです。
他社のAIが「学習データの出所が不明」なケースが多い中、Adobe Fireflyは企業やブランドが安全に使える生成AIとして位置づけられています。
2. アドビ製品との連携で編集までワンストップ
Adobe Fireflyは単体で動画を生成できるだけでなく、Photoshop・Adobe Premiere・After Effects・Adobe Expressなどアドビのエコシステム間で生成した素材をそのまま編集・加工できるため、企画から完成までが早いです。
特にAdobe Expressとの組み合わせでは、生成した映像をそのままテンプレートに配置して編集できるので制作フローが一気に短縮されます。
3. カメラ設定を直感的に調整可能
他社AIではプロンプトのみでカメラワークを指定する必要がありますが、Adobe Fireflyでは「ショットサイズ」「カメラアングル」「カメラの動き」を画面左の設定パネルから選ぶだけで直感的に調整できます。これにより、映像制作初心者でも映画のような演出を簡単に再現できます。
4. 信頼性と透明性を重視した生成AI
Adobe Fireflyはアドビ独自の「Content Credentials(コンテンツ認証情報)」にも対応。これは、どのAIモデルで、どんな手順で生成されたかを証明する仕組み。つまり「どこから来た映像なのか」を明確に示せるのです。
Adobe Fireflyはアドビが所有・許諾を受けたコンテンツ(およびAdobe Stockの著作権クリア済み素材)のみを学習に使用しています。
下の動画では生成AIと著作権についてわかりやすくまとめられています。
FAQ
- QAdobe Fireflyで動画を作るにはどのプランが必要ですか?
- A
Adobe Fireflyの動画生成を利用できるのは、Adobe Firefly Standard/Pro/Premium/Creative Cloud Pro の4つのプランです。無料プランや単体アプリプランでは動画生成はできません。
- QAdobe Fireflyで何秒の動画を生成できますか?
- A
1回あたり5秒の動画クリップが生成可能です。
- QAdobe Fireflyで生成できる動画のサイズ(解像度・アスペクト比)はどれくらいですか?
- A
Adobe Fireflyで生成できる動画の解像度は1080p(フルHD)が上限です。また、アスペクト比としては16:9(横長)または 9:16(縦型)または1:1(正方形)が選択可能です。
- QAdobe Fireflyを利用するには年間サブスクリプションを購入する必要がありますか?
- A
いいえ、必ずしも年間契約が必要というわけではありません。Adobe Fireflyは月額契約の「月々プラン」を選択すれば年間契約せずに利用可能です。
Adobe Fireflyのサブスク料金とおすすめのプラン
Adobe Fireflyでは、生成クレジット数や動画生成の上限によって選べる4つのプランが用意されています。
| Adobe Firefly Standard | Adobe Firefly Pro | Adobe Firefly Premium | Creative Cloud Pro | |
|---|---|---|---|---|
| 生成クレジット (毎月) | 2,000/月 | 4,000/月 | 50,000/月 | 4,000/月 |
| 画像生成・ベクター機能 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
| 5秒間の動画生成 | 最大 20 本 | 最大 40 本 | Firefly Video Modelの「動画を生成」を無制限に利用可能 | 最大 40 本 |
| 音声と動画を翻訳 | 最長 6 分 | 最長 13 分 | 最長 166 分 | 最長 13 分 |
| 効果音を生成 | 最大 200 | 最大 400 | 最大 5,000 | 最大 400 |
| Adobe Expressプレミアム機能 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
| 月々プラン | 1,580円/月 | 3,180 円/月 | 31,680 円/月 | 14,480 円/月 |
| 年間プラン | 1,380 円/月 15,780円/年 | 2,780 円/月 31,680円/年 | 26,780 円/月 316,780 円/年 | 9,080 円/月 102,960 円/年 |
動画生成に利用できるプレミアム生成クレジットを利用可能なのは上記の4つのプランです。単体プランやCreative Cloud Standardでは利用できません。以下にそれぞれのおすすめポイントをまとめました。
- Adobe Firefly Standard(入門向け)
まずAI生成を試したい人におすすめ。動画生成は最大20本まで利用可能。 - Adobe Firefly Pro(Adobe Expressと連携したい人向け)
Adobe FireflyとAdobe Expressプレミアム機能を組み合わせて使いたい人に最適。SNSや広告制作に便利。 - Adobe Firefly Premium(ヘビーユーザー向け)
Firefly Video Modelを無制限に利用可能。動画を大量に生成する人におすすめ。 - Creative Cloud Pro(オールインワン向け)
PhotoshopやAdobe Premiereなど他のアドビ製品をまとめて使いたい人に最適。生成クレジット4,000付き。
生成AIを安心してビジネス活用したい方、広告やSNS動画制作を効率化したい方は、ぜひAdobe Fireflyの最新動画生成機能を体験してみてください。





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